
前回のブログでは、冷蔵庫を例に、断熱と内部結露についてお話ししました。
冷蔵庫の中は数℃なのに、外側は室温とほとんど同じ。
大きな温度差があっても、断熱と気密、防湿の工夫によって結露を防いでいます。
私はその考え方を、住宅の断熱や空調にも生かせないかと、長年研究してきました。
まだ読んでいない方は、ぜひ前回の記事「冷蔵庫は結露しないのに、なぜ住宅の壁は結露するのか?」も読んでみてください。
そして今回は、その続きです。
実際のエアコンの電気代を公開します。
私はよく、こんなことを言われます。
「23℃にしているんですか?」
「それでは省エネになりませんよ」
「26℃や27℃の方が電気代は安いでしょう」
確かに、同じ家を同じ条件で冷房するなら、設定温度を高くした方が一般的には電気代を抑えやすくなります。
でも、その話を聞くたびに思うんです。
「その26℃、27℃で、本当に快適に暮らせていますか?」
暑くて眠れない。
冷房の風が当たるところだけ寒い。
寝室や廊下は蒸し暑い。
サーキュレーターを回しても、思うように快適にならない。
そんな状態で電気代だけ安くなっても、それは私の目指している家ではありません。
私はずっと、一つの順番を大切にしてきました。
快適 → 健康 → 省エネ
まず、快適な環境をつくる。
暑さや寒さを我慢せず、冷たい風に悩まされず、家じゅうどこにいても穏やかに過ごせる。
夜は気持ちよく眠り、朝はすっきり目覚める。
そんな暮らしの環境が、健康を支える土台になると考えています。
そして、その快適な状態を、できるだけ少ないエネルギーで維持する方法を考える。
省エネは最後なんです。
ところが、今の住宅業界では、この順番が逆になっていることがあるように感じます。
「省エネのために27℃設定」
「電気代を抑えるために冷房は控えめに」
最初に省エネという数字を決めて、そこに人間の暮らしを合わせようとする。
私は、それでは順番が違うと思うんです。
人間が快適になるために家を建てるのであって、電気代を我慢するために家を建てるのではありません。
もちろん、26℃でも27℃でも快適に暮らせる家はあります。
問題なのは、本当に快適かどうかを確かめず、省エネだから正しいと決めてしまうことです。
快適になっていないのに、省エネだけを成功させても、家づくりが成功したとは言えない。
私はそう考えています。
加藤建築の全館空調は、家庭用エアコン1台。
リビングも、寝室も、廊下も、階段も。
トイレも、脱衣所も、お風呂場も、押し入れも。
家全体の温度と湿度を整え、どこにいても快適な状態を目指しています。
極端な話、どこでも横になって眠りたくなるような、そんな穏やかな空間です。
しかも、夏は一般的な冷房モードではなく、除湿運転を活用しています。
私はこれを「全館除湿」と呼んでいます。
もちろん、除湿運転でも空気を冷却して熱と水分を取り除いています。
でも、単に冷たい風を人に当てて涼しくするのとは、考え方が違います。
空気だけでなく、建物全体の熱環境を整える。
これが、長年取り組んできた空調の考え方です。
パナソニック・エオリアのアプリで、エアコンの電気代を確認しました。
今年1月から10月までの記録は、約45,000円。
前年11月と12月の記録を参考に加えると、
年間約56,000円。
月平均では約4,700円です。
リビングだけではありません。
エアコン1台で、家じゅうの快適さを目指した全館空調の電気代です。
※エオリアのアプリに表示された推計電気料金です。家全体の電気代ではありません。年間額は前年11〜12月を組み合わせた参考値であり、ほかの住宅との同条件比較ではありません。
私は、快適さを我慢して電気代を安くする家を目指しているわけではありません。
快適をつくる。健康的で穏やかな暮らしを支える。そして、省エネを追求する。
この順番を大切にしてきました。
室温が26℃でも、壁や天井に熱が残っていて、暑く感じる家があります。
反対に、室温23℃前後でも、風を感じにくく、壁や床、天井まで穏やかな温度に整った家があります。
家によって断熱性能も、気密も、日射条件も、換気も違います。
だから、設定温度だけで快適さや省エネを比べることはできません。
大切なのは、その家に合った空調の使い方。
私は、少ないエネルギーで家全体の快適な状態をつくり、維持する方法を、長年の実験と現場経験から探し続けてきました。
その具体的な方法には、建物の構造や施工技術も関係するため、すべての住宅で同じことができるわけではありません。
でも、私はまだまだ快適な家づくりを進化させたいと思っています。
最近、こんな相談を受けることがあります。
「新築したのに夏が暑い」
「全館空調なのに寝室が暑くて眠れない」
「床下エアコンを設置したけれど、夏は蒸し暑い」
「階間エアコンを使っても、部屋によって暑さが違う」
「サーキュレーターを回しても快適にならない」
私はこれまで、こうした住宅の空調改善にも取り組んできました。
特に、床下エアコンや階間エアコンを採用した住宅の夏の不快感については、改善方法を考えてきた経験があります。
実際に、エアコンを買い替えたり、大がかりな工事をしたりせず、運転方法を見直すことで、快適性が大きく改善した事例もあります。
もちろん、すべての住宅が改善できるわけではありません。
建物の断熱、気密、換気、空調設備によって、できることは違います。
快適性を優先することで、電気代が増える場合もあります。
それでも、私はお伝えしたいんです。
「暑いから仕方ない」と、諦めないでください。
エアコンを増設する前に。
高額な設備を交換する前に。
大がかりな改修工事をする前に。
今ある設備で快適にできる方法がないか、一度考えてみませんか?
思っている以上に改善できる可能性があります。
これまでの経験を生かし、今後は有料の空調診断・改善相談を正式なサービスとして始めたいと考えています。
一般のお客様はもちろん、住宅の空調に悩んでいる工務店・建築関係者からの相談も対象にする予定です。
「うちの家も何とかしたい」
「一度相談してみたい」
そんな方は、まずブログやSNSのコメント欄に「空調相談希望」と書いてください。
※住所や個人情報は公開コメント欄には書かないでください。料金や具体的な相談方法は、準備が整い次第お知らせします。
家を建て直さなくても、快適さを取り戻せるかもしれません。
もう一つ、新しい取り組みを考えています。
加藤建築が長年研究してきた、気密施工の技術を建築のプロに向けて伝えることです。
特に、気密テープや気密シートの貼り方。
どこに注意するのか。
なぜ、その施工が必要なのか。
どうすれば隙間を少なくできるのか。
単に手順を真似するのではなく、考え方まで伝えられる教材を目指しています。
noteでの有料記事や動画教材として、順次公開する予定です。
本気で気密施工を学びたい工務店・大工さんに届けたいと思っています。
良い家を建てる技術を、自分だけのものにして終わらせたくない。
そんな思いから始める、新しい挑戦です。
私が長年考えてきた、断熱、気密、換気、空調、結露、そして家族の快適さ。
どうしてエアコン1台で、家じゅう快適な住宅をつくれるのか。
失敗した経験や、そこから学んできたことも、一冊の本にまとめました。
書籍『呼吸する家』です。
これから家を建てる方にも、今の家の暑さや寒さに困っている方にも、ぜひ読んでいただきたいと思います。
断熱性能を競うために家を建てるんじゃない。
365日「ああ、快適だな」と暮らすために家を建てるんです。
これからも、もっと快適な家づくりを目指して挑戦していきます。
「新築したのに、夏が暑くて眠れない」
「床下エアコンを使っているのに、家じゅうが快適にならない」
「階間エアコンを設置したけれど、夏は蒸し暑い」
そんなお悩みはありませんか?
私はこれまで、他社で建てられた住宅の空調改善についても相談を受けてきました。
特に、床下エアコンや階間エアコンを採用した住宅の、夏の不快感を改善することには経験があります。
実際に、エアコンを買い替えたり、大がかりな工事をしたりせず、運転方法を見直すことで、快適性が大きく改善した事例もあります。
もちろん、すべての住宅が同じように改善できるわけではありません。
建物の断熱、気密、換気、空調設備によって、できることは違います。
また、快適性を優先することで、電気代が増える場合もあります。
それでも、私はお伝えしたいのです。
「暑いから仕方ない」と、諦めないでください。
エアコンを増設する前に。
高額な設備を交換する前に。
大がかりな改修工事をする前に。
一度、今ある設備で快適にできる方法がないか、考えてみませんか?
思っている以上に、改善できる可能性があります。
今後、加藤建築では、有料の空調診断・改善相談を正式に始める予定です。
「うちの家も何とかしたい」
「一度相談してみたい」
そんな方は、まずブログやSNSのコメント欄に「空調相談希望」と書いてください。
※住所や個人情報はコメント欄に書かないでください。料金や具体的な相談方法は、準備が整い次第お知らせします。
家を建て直さなくても、快適さを取り戻せるかもしれません。