快適研究室22 高気密高断熱なら安心。

本当にそうでしょうか?

最近は、どこを見ても
「高気密高断熱の家です」
と書いてあります。

たしかに、それは大事なことです。
昔の家に比べれば、家の性能が上がってきたのは間違いありません。
寒さや暑さに弱かった家づくりから、一歩前に進んできたのだと思います。

でも私は、ずっと少し気になっていました。

高気密高断熱と書いてあれば、それだけで本当に安心なんだろうか。
それだけで、本当に健康住宅や省エネ住宅になるんだろうか。

世の中では、そこが少し簡単に言われすぎている気がします。

高気密高断熱だから健康。
高気密高断熱だから省エネ。
そう聞くと、なんだか全部うまくいきそうに見えます。

でも、家づくりはそんなに簡単ではありません。

実際には、性能が高いはずなのに、
なんとなく寒い。
なんとなく暑い。
空気が重い。
思ったほど光熱費が下がらない。
前の家と、そこまで変わらない気がする。

そんなことも、意外と起こります。

だから私は、
高気密高断熱は入口であって、ゴールではない
と思っています。

本当に大切なのは、その先です。

その家で暮らす人が、無理なく快適に過ごせるか。
体に負担の少ない空気や温度になっているか。
家全体がちゃんと整っているか。
その結果として、健康につながっているか。
さらにその結果として、省エネになっているか。

この順番が大事だと思っています。

快適が先にある。
その先に健康がある。
その結果として省エネがある。

私は、この順番をとても大事にしています。


家はブランドで選ぶものなのか

もうひとつ、気になることがあります。

それは、家そのものの中身よりも、
会社の大きさや有名さ、広告の量で安心してしまう空気です。

大手だから安心。
CMをやっているから信頼できる。
有名だから間違いない。

そんなふうに思われやすい時代です。

でも、本来、家はビッグビジネスのためにつくるものではありません。
そこで暮らす一人ひとり、一家族のためにつくるものです。

個人の家をつくるのに、本当に必要なのは、
派手な広告でも、会社の大きさでも、ブランドイメージでもなく、
その家族に合った快適の中身です。

どれだけ有名でも、
どれだけ会社が大きくても、
その家が暑ければ意味がない。
寒ければ意味がない。
空気が悪ければ意味がない。
体に負担がかかれば意味がない。
光熱費がかかり続ければ、省エネ住宅とは言い切れません。

つまり、
ブランドの大きさと、家の本当の質はイコールではない
ということです。

家づくりで本当に見るべきなのは、
名前の大きさではなく、
暮らしの中身だと思います。


昭和の快適から、これからの快適へ

昔の家づくりは、どちらかといえば
たくさんのエネルギーを使って、力いっぱい快適にする
という考え方だったように思います。

寒ければ、もっと暖める。
暑ければ、もっと冷やす。
足りなければ、さらに機械を増やす。

そうやって、力で押し切るように快適をつくる。
それは、エネルギーがたくさん使える時代のやり方でした。

でも今は、もうそういう時代ではないはずです。

これから本当に必要なのは、
できるだけ少ない力で、家全体を快適に整えること
だと思います。

無理やり暑くするのではなく、寒くない。
無理やり冷たくするのではなく、暑くない。
強い力で押さえつけるのではなく、
家そのもののつくり方と整え方で、自然に快適が続いていく。

そういう快適さの方が、
これからの時代に合っていると私は思います。

もちろん、それは簡単ではありません。
むしろ、とても難しいことです。

だからこそ、そこに本当の技術が出ます。

設備をどんどん足して、
エネルギーをたくさん使って、
力いっぱい快適にするのではなく、

少ない力で、家全体を快適にする。

これが、これからの家づくりの中心になってほしい。
私はそう願っています。


言葉だけではなく、中身を見る

「高気密高断熱です」
「健康住宅です」
「省エネ住宅です」

こういう言葉は、これからもたくさん並ぶと思います。
でも、本当に大事なのは、その言葉の先にある中身です。

その家は、本当に快適なのか。
体はラクなのか。
空気は気持ちいいのか。
家全体がちゃんと整っているのか。
その快適が、毎日無理なく続くのか。

家は、数字だけで住むものではありません。
言葉のイメージだけで暮らすものでもありません。

毎日の積み重ねの中で、
「ああ、なんか気持ちいい」
「なんかラクだな」
「この家、いいな」
と感じられるかどうか。

私は、そこがいちばん大切だと思っています。

高気密高断熱は大事です。
でも、それはスタートラインです。

そこから先に、
本当の快適があるか。
健康につながる環境があるか。
そして結果として、省エネになっているか。

そこまで見てはじめて、
本当に意味のある家づくりになるのだと思います。


まとめ

家は、ブランドで選ぶものではない。
言葉だけで選ぶものでもない。

そこで暮らす家族を、本当に快適にできるかどうか。
見るべきなのは、そこです。

高気密高断熱は入口。
ゴールではありません。

これからの時代に必要なのは、
エネルギーを力いっぱい使って快適にする家ではなく、
少ない力で、家全体を快適に整えられる家です。

そんな家づくりが、これからもっと当たり前になってほしい。
私は、そう思っています。

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