今年の新潟は、本当にすごい冬でした。
雪。
寒さ。
そして終わらない除雪。
正直に言えば、僕自身も心が折れそうでした。
いや、体はちょっと折れていたかもしれません。
あの冬は、
「今月の光熱費、いったいいくらになるんだろう」
と不安になった方も多かったと思います。
ニュースでも寒波。
現場でも寒波。
暮らしの中でも寒波。
そんな冬でした。
だからこそ今日は、
言葉ではなく、実際の結果の話をしたいと思います。
僕のお客様の家で、
あの大雪だった時期のデータを見ると、
2月初めから3月初めにかけての電気の請求額は14,030円でした。
これを見て、安いと思うか、高いと思うか。
感じ方は人それぞれかもしれません。
でも僕は、
あの冬でこの結果なら、やっぱり家のつくり方は大事だと思うんです。
家づくりの話になると、どうしても
高気密高断熱です
性能値がどうです
省エネです
設備がすごいです
という話が並びます。
もちろん、それも大事です。
でも最後に問われるのは、
やっぱりそこではありません。
結果はどうだったのか。
暮らしの中で、
本当に苦しくなかったのか。
寒さに追い込まれなかったのか。
光熱費で泣かずにすんだのか。
そこだと思うんです。
僕はいつも、
省エネを先に置いてはいけないと思っています。
先にあるべきなのは快適です。
快適があるから、体がラクになる。
健康にもつながる。
その結果として、省エネになる。
順番は、
快適 → 健康 → 省エネ
です。
ここを逆にして、
省エネを先に持ってくると、話がおかしくなりやすい。
使わないように我慢する。
部屋を区切る。
いないところは止める。
必要な場所だけ何とかする。
一見、省エネに見えます。
でも、それで本当に快適になるのかというと、
僕はずっと疑問を持っています。
寒い家は、結局我慢が増えます。
我慢が増えると、暮らしはつらくなる。
そしてつらい家は、長く愛されません。
だから僕は、
家じゅうを少ない力で整えることを大事にしてきました。
力いっぱい温めるんじゃない。
設備を増やして押し切るんじゃない。
少ないエネルギーで、家全体をやさしく快適にする。
それが、これからの家づくりだと思っています。
今年みたいな厳しい冬ほど、
家の本当の力が出ます。
カタログではなく。
営業トークではなく。
流行り言葉でもなく。
結果として、どうだったか。
そこに出ます。
しかもこの家は、冬のあいだも発電がまったくゼロだったわけではありません。
つまり、ただ電気を買うだけの家ではなく、
冬の厳しい時期でも、家そのものが少しずつ働いていたということです。
僕はこういう結果を見るたびに思います。
やっぱり家は、
その場だけあたたかければいいわけじゃない。
設備がたくさん付いていれば安心、でもない。
本当に大事なのは、
厳しい季節にどう暮らせるか。
そこです。
家を建てる前は、
どうしても見た目や間取りや設備の派手さに目が行きます。
でも、本当に見た方がいいのはそこじゃない。
冬にどうだったのか。
夏にどうだったのか。
毎月の暮らしがどうだったのか。
その積み重ねです。
家づくりは、一瞬の買い物ではありません。
暮らしを何十年も引き受ける器をつくることです。
だから僕は、
「すごそう」に見える家より、
ちゃんと結果が出る家をつくりたいと思っています。
あの大雪の冬でも、
ただ苦しいだけでは終わらない家。