エアコン1台で家じゅう快適。8年暮らした家の電気代を公開します。

8年前のあの親子から、お酒をいただきました。

先日、とてもうれしいことがありました。

8年前に私が家を建てた、あるお客様の息子さんからお酒をいただいたんです。

「親父に健康になってほしい」

そう言って、周囲の反対を乗り越えて、私に家づくりを任せてくれた息子さん。

そのお父さんは、家づくりの途中で胃がんが見つかり、胃を切除することになりました。

本当にいろいろなことがありました。

それから8年。

お父さんは今でも元気に、私の建築現場へ遊びに来てくれます。

そして、こんなことまで言ってくれました。

「俺が生きることで、加藤さんの家がすごいことを証明するんだ」

いやあ、うれしかったですね。

もちろん、家が病気を治したという話ではありません。

でも、お父さんが今の暮らしを喜んでくれている。それが何よりありがたいんです。

そして今回、お酒とともに、もう一つ本当にうれしかったものがあります。

それが、お父さんが長年、大切に記録してきた光熱費です。

光熱費を毎年、壁に貼っているんですよ。

お父さんは、毎年の電気代を記録しているんです。

しかも、その記録を壁に貼っているんですよ(笑)。

建築屋にとって、これほどありがたい資料はありません。

家を建てて8年。

住んでからの暮らしを、こうして記録してくれているんです。

まず、以前の家の光熱費をご覧ください。

以前の家・2018年

エネルギー 年間費用
電気 110,904円
ガス 100,255円
灯油 33,000円
豆炭 4,500円
合計 248,659円

電気も使う。

ガスも使う。

灯油も使う。

豆炭も使う。

それでも冬は寒かったんです。

暖かい部屋もあれば、寒い部屋もある。

トイレや脱衣場は寒い。

家全体が快適だったわけではありません。

では、今の家はどうでしょうか。

新しい家・2024年

年間電気代 249,139円

太陽光発電はありません。

オール電化です。

エアコン1台を中心に、家全体を冷暖房しています。

比較すると、

  年間光熱費
以前の家・2018年 248,659円
新しい家・2024年 249,139円
差額 480円

たった480円です!

もちろん、2018年と2024年ではエネルギー単価や使用条件が違います。これは支払金額の比較であり、同じ条件で省エネ性能を測ったものではありません。

でも、私が一番伝えたいのはそこだけじゃないんです。

以前の家では、いろいろな燃料を使っても寒い場所があった。

今では、冬はトイレも脱衣場も浴室も暖かい。

夏も家じゅう涼しく、寝室でも気持ちよく眠れる。

光熱費はほとんど同じなのに、暮らしの快適さはまるで違うんです。

私は、我慢して省エネする家をつくりたいわけではありません。

快適に暮らして、その結果として少ないエネルギーで済む家をつくりたい。

それが、長年研究してきたことなんです。

ところが、毎年の電気代を見ると気になることがあります。

お父さんの記録には、こんな数字が並んでいます。

年 年間電気代
2021年 199,849円
2022年 241,011円
2023年 251,808円
2024年 249,139円
2025年 264,023円

2021年から2025年までの4年間で、年間64,174円も増えています。

もちろん、この記録は支払金額なので、使用電力量がどれだけ変わったかは別に確認しなければなりません。

それでも、私は気になるんです。

電気代が上がったとき、本当に電気をたくさん使ったから高くなったのでしょうか。

電気料金には、使った電気そのものの代金以外にも、いくつかの費用が含まれているんです。

 

年間26万円の電気代。これ、本当に高いのでしょうか?

ここで、私がぜひ皆さんに知ってほしいことがあります。

お父さんの家の2025年の年間電気代は264,023円。

この数字だけ見ると、

「えっ、年間26万円もかかるの?」

「エアコン1台なのに、そんなに高いの?」

と思う人もいるかもしれません。

でも、ちょっと考えてみてください。

この26万円、エアコンだけの電気代じゃないんですよ。

冬の暖房。

夏の冷房。

お風呂のお湯。

台所のIHクッキングヒーター。

照明や冷蔵庫、洗濯機、テレビ、その他の家電。

オール電化ですから、家庭で使うエネルギーが電気代にまとまっているんです。

しかも、家全体を冷暖房しています。

一部屋だけ暖かい、一部屋だけ涼しいという家ではありません。

寝室も、トイレも、脱衣場も、浴室も快適にしています。

だから、年間の電気代だけを見て、冷暖房にそんなにお金がかかる家だと思われたくないんです。

さらに、もう一つあります。

基本料金です。

東北電力の料金プランによっては、基本料金だけで年間3万円から5万円以上かかる契約もあります。

これは、電気をどれだけ使ったかとは別に、契約内容によって決まる料金です。

例えば2026年11月時点の料金を使うと、

「よりそう+シーズン&タイム」の10kVAまでの主開閉器契約では、年間基本料金は約33,445円。

「よりそう+スマートタイム」の10kVAまでなら、年間約57,205円。

仮に2025年の年間請求額264,023円から、それぞれを単純に引いてみると、

参考にする契約プラン 基本料金の年額 差し引いた残り
シーズン&タイム 約33,445円 約230,578円
スマートタイム 約57,205円 約206,818円

※これは2026年11月の料金を当てはめた説明用の試算です。お父さんの家の実際の契約プランや、2025年に支払った基本料金を示すものではありません。

この残りも、すべてが冷暖房の電気代ではありません。

給湯や家電などの費用に加えて、再エネ賦課金や燃料費等調整額なども含まれています。

つまり、

年間26万円という請求額の全部が、エアコンで家を冷暖房するためのお金ではないんです。

しかも、太陽光発電で電気代を相殺しているわけでもありません。

この物価高の中で、家じゅう快適に暮らし、給湯も料理も家電も使っている。

そこまで考えて、この記録を見てほしいんです。

電気を使う前から、基本料金がかかっている。

皆さん、電気料金の内訳を詳しく見たことがありますか?

電気代には、基本料金があります。

これは契約プランや契約容量によって決まる金額です。

例えば、東北電力の「よりそう+シーズン&タイム」。

2026年11月の改定後、主開閉器契約10kVAまでの基本料金は、月2,787円10銭。

年間にすると約33,445円です。

別の「よりそう+スマートタイム」では、10kVAまでの基本料金が月4,767円10銭。

年間にすると約57,205円です。

基本料金だけで、年間3万円から5万円以上かかる契約もあるんです。

しかも、これで終わりではありません。

再エネ賦課金って、いくら払っているのでしょう。

電気代には、再生可能エネルギー発電促進賦課金というものがあります。

太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を支えるため、電気を使う人が負担している費用です。

2026年度の単価は、1kWh当たり4.18円。

例えば、月500kWhの電気を使えば、

500kWh × 4.18円 = 月2,090円。

年間を通じて毎月500kWh使えば、25,080円になります。

さきほどの基本料金と合わせてみましょう。

「よりそう+シーズン&タイム」の主開閉器契約10kVAまでなら、

項目 月額
基本料金 2,787円
再エネ賦課金(500kWhの場合) 2,090円
合計 約4,877円

これを12か月続けると、年間約58,525円。

基本料金と再エネ賦課金だけで、年間約6万円近くになる計算です。

ただし、これは月500kWh使うと仮定した一例です。再エネ賦課金は基本料金と違って使用量に応じて増減します。

お父さんの家の実際の契約プランや使用電力量を示した金額ではありません。

そして、もちろん電気を使った分の電力量料金も別にかかります。

さらに燃料費等調整額というものもあります。

これは燃料価格などによって毎月変わり、料金を増やすことも、反対に差し引くこともあります。

送電線などを維持するための託送料金相当額も、通常は電気料金に含まれています。別にもう一度加算するものではありません。

こうして内訳を調べていくと、電気代は単純に「何kWh使ったからいくら」というだけではないことが分かります。

私は、家を建てる人にも、こういう仕組みを知ってほしいんです。

なお、今回の光熱費は、お父さんが記録してくださった実際の年間支払額です。

契約プランや使用電力量の詳細が分かれば、実際の基本料金や電気使用量についても、さらに詳しくご紹介したいと考えています。

実は、エアコン1台で家じゅう快適にすることには、もう一つ意味があるんです。

ここで、私が長年考えてきたことをお話しします。

普通の住宅では、リビングにエアコン。

寝室にもエアコン。

子ども部屋にもエアコン。

部屋ごとに何台も取り付けていることが多いですよね。

冬に、それらを一度に運転したらどうなるでしょう。

当然、同時に使う電力が大きくなりやすいんです。

そして、給湯器やIHクッキングヒーターなども同時に使うことを考えると、大きな電気契約が必要になる住宅もあります。

でも、私がつくっている家は違います。

エアコン1台で、家じゅうを冷暖房するんです。

リビングだけじゃありません。

寝室も、トイレも、脱衣場も、浴室も。

家全体を快適にするために、それぞれの部屋にエアコンを取り付ける必要がないんです。

これって、単にエアコンの購入台数が少なくて済むという話ではありません。

家全体で同時に必要となる電力を小さく設計できれば、電気の契約容量まで抑えられる可能性があるんです。

例えば、東北電力の「よりそう+eねっとバリュー」という料金プラン。

2026年11月時点の基本料金では、

契約 月額基本料金
40アンペア 1,587.84円
50アンペア 1,998.55円
60アンペア 2,409.26円

60アンペアと40アンペアでは、月に約821円の差があります。

年間で約9,857円。

これが30年続いたら、料金が変わらないという仮定でも約29万6,000円の差になります。

何もしなくても払う基本料金だからこそ、私はこういうところも大切に考えたいんです。

もちろん、エアコンの台数だけで契約容量が決まるわけではありません。

給湯器や調理器具など、家全体で同時に使う電力によって変わります。

また、アンペア契約とkVA契約では、料金の決め方も異なります。

でも、私がつくる家では、太陽光発電を設置していない住宅でも、60アンペア以下の契約で暮らせるような電力の使い方を考えられるんです。

太陽光発電がないから不利だと決めつける必要もありません。

まず、家そのものの消費電力を小さくすればいい。

エアコン1台の本当の価値は、台数が少ないことだけじゃない。

大きな電力を必要としない暮らしを考えられることにも、意味があるんです。

私は、住宅の省エネを、電気の使用量だけで判断したくありません。

設備の台数。

同時に使う電力。

電気の契約容量。

そして、毎月の基本料金。

全部つながっているんです。

快適な家をつくるとき、電気の契約のことまで考えていますか?

私は、そこまで考えて家づくりをしたいんです。

実は私、長岡で唯一の「eハウスビルダー」だったんです。

実は私、以前、東北電力の「eハウスビルダー」に選ばれていました。

これは、オール電化住宅を推奨する施工店の制度です。

当時、長岡で選ばれていたのは加藤建築の一店舗だけだったんです。

私はそれだけ、オール電化と省エネルギー住宅に真剣に取り組んできました。

ところが、今から10年ほど前のことです。

私が住宅の電気代を公表することについて、控えるように直接言われたことがありました。

しかも、名指しで。

正直、当時は「どうしてなんだろう」と不思議に思ったものです。

どういう事情があったのか、今でもはっきりとは分かりません。

これは当時の私自身の経験であって、東北電力全体で電気代の公表を禁止していたという意味ではありません。

その後も長く関わってきましたが、最近、この制度からは退会しました。

でも、私の考え方は変わっていません。

住宅の省エネ性能は、完成時の計算だけではなく、実際に住んだ人の光熱費で確かめることにも、大きな意味があると思っています。

だからこそ、お父さんが長年記録を残してくれたことが、私は本当にうれしいんです。

私は、将来の電気代が4倍になることまで考えていました。

2011年、東日本大震災がありました。

あのとき、私は住宅とエネルギーについて、もう一度考え直しました。

初代プラスエナジーハウスに取り組んだ頃から、私には一つの予測がありました。

将来、電気代が4倍になることも考えておかなければならない。

そんなふうに考えていたんです。

もちろん、4倍になると決まっているわけではありません。

でも、もし年間20万円の電気代が40万円になったら。

さらに倍になって80万円になったら。

皆さん、どうしますか?

寒くても暖房を我慢するのでしょうか。

暑くても冷房を止めるのでしょうか。

私は、そんな未来にしたくありません。

電気代だけではありません。

エネルギー価格が上がれば、運送費や商品の製造費など、生活のいろいろなところに影響します。

住宅は30年、40年と使うものです。

今日の電気代が安ければ、それでいいというものではありません。

これから先、エネルギーが高くなっても、快適さを簡単に諦めなくて済む家をつくりたい。

そのために、家そのものが必要とするエネルギーを小さくする。

そして小さなエネルギーを上手に使う。

私は、そこを研究してきました。

なぜ、私はオール電化にこだわってきたのか。

世の中には、こんな意見があります。

「オール電化はダメだ」

「やっぱりガスも使った方がいい」

「ガスにしなさい」

「最近はガスの方が安いから」

「電気が高いって聞くから、オール電化はやめた方がいい」

そんな話を聞くことがあります。

もちろん、ガスにも電気にも、それぞれ良いところがあります。

でも、私はいつも疑問に思うんです。

それは、何を基準に判断しているんでしょうか。

今月の電気代でしょうか。

最近のガスの値段でしょうか。

誰かから聞いた噂でしょうか。

設備の購入金額でしょうか。

私は、それだけで30年、40年と使う住宅の仕組みを決めてしまっていいのかなと思うんです。

電気が安いと言われたらオール電化にする。

ガスが安いと聞いたらガスにする。

また電気が高くなったら、今度は別の設備に変える。

そんなふうに、目先のエネルギー価格に振り回される家づくりはしたくありません。

もちろん、今の光熱費を考えることも大切です。

でも、家は何十年も使うものなんです。

その間にエネルギー価格は何度も変わります。

だから私は、もっと根本から考えてきました。

まず、家そのものが必要とするエネルギーを小さくすればいい。

そして、その小さなエネルギーを上手に使えばいい。

電気の良さは、必要な力を細かく制御できることにもあります。

家全体を快適な温度に整えたら、できるだけ小さな力で維持する。

人間に冷たい風や熱い風を当て続けるのではなく、壁も床も天井も快適な温度に整える。

私がつくりたいのは、そんな家なんです。

小さな力で、大きな快適を。

オール電化にすれば、何でも省エネになるわけではありません。

断熱、気密、換気、空調、設備の効率、そして暮らし方。

全部がつながっています。

だから私は、単純に「電気がいい」「ガスがいい」という話で終わらせたくないんです。

30年後、40年後も、無理なく快適に暮らせる家なのか。

私は、そこを一番大切にしたいと思っています。

8年後に分かった、家づくりの本当の価値。

この物価高の時代に、お父さんが今でも快適に暮らしている。

家じゅうを冷暖房しているのに、太陽光発電なしで、これまでの光熱費の記録が残っている。

そして何より、家を建てて本当によかったと言ってくれる。

私は、それがうれしいんです。

家を完成させることが、建築屋の仕事の終わりではありません。

その家で暮らした人が、5年後、10年後、どう感じているのか。

どんな生活をしているのか。

私は、そこまで大切にしたいんです。

8年前、息子さんは私に言いました。

「親父に健康になってほしい」

あの言葉を、私は忘れていません。

そして今回、息子さんからお酒をいただき、お父さんの長年の光熱費記録も見せてもらいました。

本当にありがたいことです。

実は、これから家を建てるお客様の光熱費も調べています。

今回、お父さんの家の光熱費をご紹介しましたが、実はもう二組、興味深い記録があります。

どちらも、これから加藤建築で新しい家を建てる予定のお客様です。

一組は、大人3人、子ども3人の6人家族。

現在は約60坪の住宅に住んでいます。

今の家を解体して、建て替える予定です。

もう一組は、賃貸アパートで暮らす2人家族。

こちらも、これから加藤建築で新しい家を建てる予定です。

お客様から、現在の光熱費を教えていただきました。

その2024年の実際の記録がこちらです。

項目 建て替え前の住宅 賃貸アパート
家族構成 大人3人・子ども3人 2人暮らし
住宅 約60坪 賃貸アパート
電気代 422,057円 96,554円
ガス代 ― 107,127円
灯油代 112,500円 12,000円
年間光熱費合計 534,557円 215,681円
月平均光熱費 約44,546円 約17,973円

※お客様から提供いただいた2024年の記録です。水道代は含んでいません。

どうでしょうか。

6人家族が暮らす約60坪の家では、年間53万円以上。

月平均で約44,500円です。

毎月これだけの光熱費を払いながら暮らしているんです。

一方、2人暮らしのアパートでも年間21万円以上。

月平均で約18,000円です。

ところが、実際にお客様からお話を伺うと、これだけの光熱費を払っているのに、冬は本当に寒く、夏は暑いそうなんです。

暑さや寒さを我慢しながら暮らしていて、健康面まで心配になるほど、住まいの環境に困っていると聞いています。

私は、そこが一番気になるんです。

これだけのお金を払っているのに、快適に暮らせない。

それでは、何のために光熱費を払っているのでしょうか。

私は、光熱費を安くするだけでなく、まず家族が暑さや寒さに苦しまず、安心して暮らせる家をつくりたいんです。

住宅の大きさも、家族の人数も、冷暖房している範囲も違います。

だから、この金額だけを並べて、どの家が省エネなのか決めることはできません。

でも、私が伝えたいのは、これから新しい家を建てる人たちが、今すでにこれだけの光熱費を支払っているということです。

これから建てる家では、もっと快適に暮らせるようにしたい。

それと同時に、今より少ないエネルギーで暮らせるようにしたい。

私は、そう考えて設計しています。

もちろん、将来の電気料金や暮らし方によって、実際の支払額は変わります。

今の段階で、新しい家の光熱費が必ずいくらになると断言することはできません。

だからこそ、新しい家で暮らし始めたら、その光熱費も記録していただきたいんです。

建てる前と建てた後で、快適さと光熱費がどれだけ変わったのか。

それを実際の暮らしで確かめていきたいと思っています。

アパートの家賃と光熱費。合わせるといくらになるでしょう。

実は、2人暮らしのお客様からは、アパートの家賃も教えていただいています。

家賃は月58,000円です。

1年間では696,000円。

そこに、年間光熱費215,681円が加わります。

項目 年間費用
家賃 696,000円
電気・ガス・灯油 215,681円
年間合計 911,681円

年間91万円以上。

月平均で約75,973円です。

つまり、家賃と光熱費だけで、毎月約76,000円を支払っていることになります。

ここで、私はもう一つ考えてほしいことがあるんです。

皆さん、家を建てようとするとき、住宅ローンの返済額を一生懸命計算しますよね。

「毎月いくらなら払えるだろう?」

「今の家賃と同じくらいの返済額なら大丈夫かな?」

もちろん、住宅ローンはとても大切です。

でも、その家に住み始めたら、住宅ローンのほかにも光熱費がかかります。

固定資産税もあります。

修繕や設備の交換に必要なお金もあります。

だから、家賃と住宅ローンの返済額だけを比べても、住宅にかかるお金のすべては分からないんです。

住宅ローンは何十年も続きます。でも、光熱費だって何十年も払い続けるものなんです。

しかも、光熱費は将来どうなるか分かりません。

もしエネルギー価格が上がっても、少ないエネルギーで快適に暮らせる家だったらどうでしょう。

私は、そこにも住宅の価値があると思っています。

住宅ローンを安くすることばかり考えて、住み始めてから高い光熱費を払い続ける。

それでは、本当に家計に優しい家になっているのでしょうか。

逆に、建築費だけを見て高い安いと判断するのではなく、30年、40年という長い時間で、家にかかるお金を考えたらどうでしょう。

私は、家づくりの予算を考えるとき、そこまで一緒に考えたいんです。

次回は、住宅ローンと光熱費の話をしたいと思います。

今回ご紹介したのは、お父さんが残してくれた8年間の記録と、これから家を建てる二組のお客様の実際の光熱費です。

これから建てるお客様の新しい家も、私が大切にしてきた考え方で設計していきます。

快適 → 健康 → 省エネ。

まず人間が快適に暮らせること。

それを少ないエネルギーで維持すること。

そして、何十年たっても、家を建ててよかったと思ってもらえること。

私は、そのために研究を続けてきました。

次回は、住宅ローンの金額だけで家の予算を決めてしまっていいのか。

光熱費も含めて、30年、40年の暮らしを考える家づくりについて、お話ししたいと思います。

お父さん、息子さん、そして大切な記録を提供してくださったお客様。

本当にありがとうございます。

これからも、一棟一棟、大切に家をつくっていきます。

小さな力で、大きな快適を。

加藤建築 加藤正勝


※掲載した光熱費は各ご家庭から提供された年間支払額です。東北電力の基本料金や再エネ賦課金は公表料金による参考例であり、各家庭の実際の契約内訳を示すものではありません。住宅規模、家族構成、設備、比較年、エネルギー価格などの条件が異なるため、金額だけで住宅の省エネ性能を比較することはできません。

参考資料

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