家の話をしていると、
「うちは25度にしているから大丈夫です」
「22度あるから暖かいはずです」
という言葉をよく聞きます。
もちろん、温度は大事です。
でも私は、
同じ温度でも、快適な家と不快な家がある
と思っています。
これは、実際に住んでみるとよくわかります。
同じ25度でも、
なんとなく気持ちいい家があります。
でも同じ25度でも、
なぜか苦しい家もあります。
同じ22度でも、
包まれるように暖かく感じる家があります。
でも同じ22度でも、
足元が冷たくて寒く感じる家もあります。
この違いは何か。
それは、
空気の温度だけではなく、
人が触れている環境全体が違うからです。
床はどうか。
壁はどうか。
天井はどうか。
湿度はどうか。
風は当たりすぎていないか。
部屋ごとの差はないか。
人は、空気の温度だけを感じているわけではありません。
体は、
まわりの表面温度も感じています。
湿度も感じています。
風の強さも感じています。
そして、その場所にいたときに
体が楽かどうかを、自然に判断しています。
だから、
温度計の数字が同じでも、
体が受ける感覚は全然違ってくるのです。
たとえば、
部屋の空気は暖かいのに、
床や壁が冷たい家があります。
そうすると、
空気の温度は足りていても、
人はどこかで寒さを感じます。
逆に、
床や壁や天井まで落ち着いていて、
風もきつくなく、
湿度も整っている家では、
同じ温度でもずっと楽に感じます。
つまり、
快適は空気の数字だけで決まっているのではなく、
空間全体の整い方で決まっているのです。
私はここが、とても大事だと思っています。
家づくりでは、
どうしても数値が先に出てきます。
室温は何度か。
設定温度は何度か。
性能値はどうか。
でも本当に大切なのは、
その家の中で人がどう感じるかです。
数字が同じでも、
気持ちよく暮らせる家もあれば、
どこか我慢が必要な家もある。
だから私は、
数字だけを追いかけるのではなく、
人の体がどう感じるかを大事にしたいと思っています。
快適な家というのは、
ただ温度が合っている家ではありません。
暑くない。
寒くない。
風がつらくない。
ムラが少ない。
どこにいても、ほっとする。
そういう状態がそろって、
初めて本当の快適になるのだと思います。
家は、
ただ数字を合わせるための場所ではなく、
人が気持ちよく生きるための場所であってほしい。
私はそう思っています。